「検討します」への正しい切り返し|商談を成功に導くプロの対処法
【この記事の要約】
商談の最後に「検討します」と言われると、多くの営業担当者は次の一手に迷います。本記事では、そもそも「検討します」を言わせないための事前設計と、言われたあとの正しい切り返し方を具体的に解説します。
目次
- 「検討します」が持つ本当の意味とは
- 「検討します」を言わせないための事前設計
- 「検討します」と言われたときの正しい切り返し方
- やってはいけないNG対応とその理由
- 商談後のフォローアップで差をつける方法
1. 「検討します」が持つ本当の意味とは
商談の終盤、あなたが提案を締めくくったとき、相手から「ありがとうございます。検討します」という言葉が返ってきた経験は誰にでもあるでしょう。
しかし、この「検討します」という言葉、実際には複数の意味が混在していることをご存知でしょうか。
「検討します」には3つのパターンがある
営業の現場で「検討します」と言われる場合、大きく以下の3つのパターンに分類できます。
パターン①:本当に前向きに検討している
- 提案内容に興味はあるが、社内稟議や予算確認が必要
- 他の選択肢と比較したい
- 決裁者への確認が必要
パターン②:やんわりと断っている(ソフトな拒絶)
- 興味はないが、その場で断ることを避けたい
- 提案に魅力を感じなかったが、相手への配慮から断言できない
- 「今は必要ない」という意思表示
パターン③:情報が不足していて判断できない
- 提案内容が十分に理解できなかった
- 自社の課題と提案がマッチしているか判断できない
- 価格や条件面で不明点がある
この3つのパターンを見極めないまま「ぜひよろしくお願いします!」と言って帰ってしまうのが、最も多い営業担当者の失敗パターンです。
なぜ「検討します」を放置してはいけないのか
「検討します」をそのまま受け入れて商談を終了してしまうと、以下のような問題が発生します。
- 次のアクションが曖昧になる:いつ、誰が、何を確認するのかが不明確
- 競合他社に先を越される:検討期間中に他社が積極的にフォローする
- 熱量が冷める:時間が経つにつれて、購買意欲が低下する
- 案件がフェードアウトする:フォローのタイミングを逃して失注する
データによれば、商談後に適切なフォローをしない場合、成約率は大幅に低下します。「検討します」と言われたあとの対応が、営業成績を大きく左右するのです。
2. 「検討します」を言わせないための事前設計
最も効果的な対策は、そもそも「検討します」という言葉が出ない商談を設計することです。これは商談の準備段階から始まります。
事前設計①:決裁者を商談に巻き込む
「検討します」が出る最大の原因のひとつが、その場にいる人物が決裁権を持っていないことです。
担当者レベルで商談が進み、「社内で確認します」という流れになると、どうしても「検討します」という言葉が生まれやすくなります。
対策:商談前に必ず確認すること
「今回の件について、最終的な判断をされるのはどなたになりますか?もしよろしければ、ご一緒にお話を伺えると、より具体的なご提案ができると思うのですが、いかがでしょうか?」
このように、アポイントの段階で決裁者を同席させる働きかけをすることが重要です。
事前設計②:課題の深掘りと合意形成
商談中に提案内容を一方的に話すだけでは、相手の心は動きません。相手の課題を深掘りし、「確かにこれは問題だ」という合意を形成することが先決です。
効果的な質問例
- 「現状、○○という部分で課題を感じていらっしゃいますか?」
- 「もしこの課題が解決されたら、どのような変化が期待できますか?」
- 「この問題が続くと、今後どのような影響があると思いますか?」
課題に対する合意が深まるほど、「検討します」ではなく「どうすれば導入できますか?」という前向きな言葉が引き出しやすくなります。
事前設計③:仮クロージングを商談中に行う
商談の最後にいきなりクロージングをかけるのではなく、商談の途中で「仮クロージング(試しの合意確認)」を繰り返すことが有効です。
仮クロージングの例
「ここまでのご説明で、○○の部分についてはご理解いただけましたでしょうか?」
「この機能については、御社の課題解決に役立ちそうだと感じていただけましたか?」
小さなYESを積み重ねることで、最終的なクロージングがスムーズになり、「検討します」という言葉が出にくい流れを作れます。
事前設計④:次のステップを商談中に合意しておく
商談を終える前に、必ず「次のアクション」を明確にすることが重要です。
悪い例
「では、ご検討いただけますでしょうか。何かあればご連絡ください。」
良い例
「では、○○日までに社内でご確認いただき、○○日に改めてお時間をいただくことは可能でしょうか?その際に、具体的な条件面についてもお話しできればと思います。」
次のステップを双方で合意することで、「検討します」という言葉が出ても、案件が止まることを防げます。
3. 「検討します」と言われたときの正しい切り返し方
事前設計をしっかり行っていても、「検討します」という言葉が出ることはあります。そのときの切り返し方を状況別に解説します。
切り返し①:理由を丁寧に確認する
まず大切なのは、なぜ「検討」が必要なのかを確認することです。ここで焦って押し込もうとすると、相手に不快感を与えてしまいます。
効果的なフレーズ
「ありがとうございます。検討いただけるとのこと、大変嬉しいです。差し支えなければ、どのような点についてご確認が必要でしょうか?お力になれることがあれば、ぜひお伝えしたいと思っています。」
このように、オープンな質問で理由を引き出すことが第一歩です。
切り返し②:懸念点を特定して解消する
「検討します」の背景には、何らかの懸念点が隠れていることが多いです。その懸念点を特定し、その場で解消することが理想です。
よくある懸念点と対処法
| 懸念点 | 切り返しフレーズ |
|---|---|
| 価格が高い | 「ご予算の面でご不安がございますか?導入方法やプランについて、もう少し柔軟にご提案できる場合もございます。」 |
| 効果が不明 | 「導入後の効果についてご不安でしょうか?類似の事例をご紹介できますが、いかがでしょうか?」 |
| タイミングが合わない | 「今の時期は難しいでしょうか?もし○○の時期であれば、より導入しやすい条件でご提案できます。」 |
| 社内の合意が必要 | 「社内でのご説明のお役に立てるよう、資料をご用意することもできます。何かお力になれることはありますか?」 |
切り返し③:期限を設けた確認を提案する
「検討します」をそのまま受け入れる場合でも、期限を明確にすることが重要です。
フレーズ例
「ありがとうございます。では、○○日ごろにお電話かメールでご状況を確認させていただいてもよろしいでしょうか?その際に追加のご質問があればお答えします。」
このように、次のコンタクトタイミングを相手に合意してもらうことで、案件が放置されることを防げます。
切り返し④:「もし今日決めるとしたら」の質問を使う
これは少し上級者向けの技術ですが、効果的な切り返し方のひとつです。
フレーズ例
「もし仮に、今日この場でご判断いただくとしたら、どのような条件が整えば前向きにご検討いただけますか?」
この質問によって、相手が本当に求めている条件や懸念点が明確になります。「価格がもう少し下がれば」「○○の機能があれば」といった具体的な回答が得られれば、その場で対応策を提示できる可能性があります。
4. やってはいけないNG対応とその理由
「検討します」と言われたときに、やってしまいがちなNG対応を紹介します。これらを避けるだけで、成約率は大きく変わります。
NG①:「ぜひよろしくお願いします!」と言って帰る
最も多い失敗パターンです。「検討します」に対して何も確認せず、ただお礼を言って帰ってしまうと、案件はほぼ確実にフェードアウトします。
なぜNGか:次のアクションが何も決まっていないため、フォローのタイミングを逃しやすい。
NG②:しつこく押し込む
「いや、ぜひ今日決めてください!」「他にご不満な点はありますか?」と畳み掛けるのは逆効果です。
なぜNGか:相手に不快感・プレッシャーを与え、信頼関係が崩れる。長期的な関係構築にもマイナス。
NG③:値引きをすぐに提示する
「検討します」と言われた瞬間に「では、少しお値引きできます」と言ってしまうのも危険です。
なぜNGか:価格が問題でない場合、値引きは意味をなさない。また、「もっと粘れば下がる」という印象を与え、次回以降の交渉を難しくする。
NG④:長期間放置してから連絡する
「検討中だから邪魔しては悪い」と思い、1〜2週間後に連絡するのも遅すぎます。
なぜNGか:購買意欲は時間とともに低下する。競合他社が積極的にフォローしている可能性がある。
5. 商談後のフォローアップで差をつける方法
「検討します」と言われたあとのフォローアップは、成約率を大きく左右します。ここでは、他の営業担当者と差をつけるためのフォローアップ戦略を紹介します。
フォローアップ①:商談当日中にお礼メールを送る
商談が終わったその日のうちに、お礼と商談内容のまとめメールを送ることが基本です。
メールに含めるべき内容
- 商談のお礼
- 今日話し合った内容の要点(相手の課題と提案内容)
- 次回のアクション(いつ、何を確認するか)
- 追加の参考資料や事例
このメールを送ることで、相手の記憶に残りやすくなり、社内での検討もスムーズに進みます。
フォローアップ②:有益な情報を定期的に提供する
単純に「ご検討の状況はいかがでしょうか?」と連絡するだけでは、相手にとって価値がありません。相手の課題解決に役立つ情報を提供しながら連絡することが重要です。
例
- 「先日のご商談でお話しした○○の課題に関連する事例をまとめました」
- 「業界の最新トレンドについてのレポートをお送りします」
- 「類似の課題を持つ企業様の導入事例をご紹介できます」
このようなアプローチは、相手にとって「また連絡が来た」ではなく「有益な情報をくれる人」という印象を与えます。
フォローアップ③:決裁者へのアプローチを考える
担当者レベルで「検討します」が止まっている場合、決裁者へ直接アプローチする機会を作ることも有効です。
ただし、担当者を飛び越えるような行動は関係を壊すリスクがあるため、担当者の協力を得ながら進めることが大切です。
「もしよろしければ、ご担当者様から上長の方にご紹介いただき、改めてご説明の機会をいただけますでしょうか?」
フォローアップ④:期限を活用したクロージング
一定期間が経過しても返答がない場合、期限を設けたオファーを提示することも効果的です。
「今月末までにご決断いただけた場合、○○の特典をご用意できます。ぜひご検討いただけますでしょうか。」
ただし、これは最後の手段として活用するのが適切です。頻繁に使うと信頼性が低下します。
まとめ:「検討します」への対応で営業力が決まる
「検討します」という言葉は、営業担当者にとって避けて通れない壁です。しかし、正しい準備と対応があれば、この言葉はむしろチャンスに変えることができます。
本記事のポイントを整理します。
事前設計のポイント
- 決裁者を商談に巻き込む
- 課題の深掘りと合意形成を徹底する
- 仮クロージングを商談中に繰り返す
- 次のステップを商談内で合意しておく
「検討します」と言われたときの対応
- 理由を丁寧に確認する
- 懸念点を特定して解消する
- 期限を設けた確認を提案する
- 「もし今日決めるとしたら」の質問を活用する
避けるべきNG行動
- 何も確認せずに帰る
- しつこく押し込む
- すぐに値引きを提示する
- 長期間放置する
効果的なフォローアップ
- 当日中にお礼メールを送る
- 有益な情報を定期的に提供する
- 決裁者へのアプローチを検討する
- 期限を活用したクロージング
営業において「検討します」への対応力は、成約率に直結するスキルです。今日から実践できることを一つずつ取り入れ、商談の質を高めていきましょう。
本記事では、営業現場での実践的なノウハウをもとに、「検討します」への正しい切り返し方を解説しました。商談スキルの向上に関連する記事もあわせてご参照ください。
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