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2025年4月2日、トランプ米大統領が新しい貿易政策「相互関税」を発表しました。この政策は、世界中の貿易に大きな影響を与えるもので、各国から強い反発を受けています。この記事では、「相互関税」政策の内容と、それが日本や世界の経済にどのような影響をもたらすのかを、わかりやすく解説します。

相互関税とは？

新たに導入される「相互関税」は、すべての輸入品に対して一律10%の関税をかける「基本関税」と、国ごとに設定される「相互関税」を組み合わせたものです。

相互関税の率は、各国がアメリカに対してどれだけ関税や規制をかけているかに応じて変わります。トランプ大統領は、これを「公平な貿易を実現するための措置」と説明しています。

たとえば、

• 中国：34%（すでにある20%の関税と合わせて実質54%）
• 日本：24%
• EU（欧州連合）：20%
• 韓国：25%
• 台湾：32%

これにより、アメリカの輸入品全体の平均関税率は、昨年の2.5%から一気に19%まで上がる見通しです。

誰が対象で、誰が除外される？

この政策は60カ国以上に影響を及ぼしますが、カナダやメキシコなど一部の国は除外されます。また、以下の品目も関税の対象外とされています：参考

• 鉄鋼・アルミニウム
• 自動車とその部品
• 医薬品、半導体、木材、金、エネルギーなど
• 米国内で代替できない特定の鉱物

日本への相互関税は、4月5日から段階的に導入される予定です。

日本経済への影響

大和総研の試算によると、日本の実質GDPはこの政策によって：

• 2025年：0.6%減少
• 2029年：1.8%減少

一律関税と相互関税を合わせた「トランプ関税」全体の影響は：

• 短期：0.7%減
• 中期：2.9%減

特に、自動車以外の製造業が大きな打撃を受けると予想されており、日本の輸出競争力が低下することが懸念されています。

アメリカと世界への影響

アメリカ国内では、平均的な世帯で年間2100ドル（約30万円）の出費が増える見込みです。また、実質所得は平均で2.1%減少すると予測されています。

輸入が9000億ドルも減ると見られており、その結果として：

• 米国製品への切り替え
• 商品価格の上昇
• 消費の冷え込み が懸念されています。

フィッチによれば、今回の関税でアメリカの関税水準は過去100年以上で最も高い水準になります。

世界経済への影響とリスク

この関税政策により、各国が報復措置を取る可能性が高まり、世界的な貿易戦争に発展する懸念があります。

たとえば：

• 中国はすでに報復措置を表明
• EUも交渉が決裂すれば報復すると示唆
• オーストラリア首相は「友好国に対する行動ではない」と批判

このような状況は、世界の経済成長を鈍らせる要因になります。

インフレと金融政策への影響

FRB（アメリカ連邦準備制度）のパウエル議長は、この政策がインフレを加速させ、経済成長を妨げる可能性があると警告しています。

インフレを抑えるために金利を上げると、今度は経済が冷え込む「スタグフレーション」が起きるリスクもあります。

市場と投資家の反応

関税発表後、世界の株式市場は大きく下落しました。

• 北京や東京の市場は大幅安
• ドイツなど輸出依存の国も下落
• アメリカの株先物も下がり、安全資産（国債・金）に資金が移動

市場は今後も不安定な状態が続くと見られており、貿易・インフレ・経済成長のリスクに注目が集まっています。

今後どうなる？

この政策は、これまでの自由貿易を基盤とした世界経済の枠組みに大きな変化をもたらす可能性があります。

• グローバルなサプライチェーンの再構築
• 保護主義の広がり
• 長期的な競争力や生産性の低下

などが懸念されます。

企業や各国政府の対応、中央銀行の政策など、今後の動きが注目されます。

まとめ

トランプ大統領の「相互関税」政策は、日本を含む多くの国に経済的打撃を与えるだけでなく、世界の貿易秩序や市場の安定性にまで影響を及ぼす可能性があります。関税の連鎖や景気後退のリスクもあり、今後の世界経済の行方は大きく揺れ動くことが予想されます。

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