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M&A後の組織文化統合の「方法論」を確立するための協業を開始~実際のPMI案件のトレースを通じた実践知の形式知化と、診断ツール・ワークショップの共同開発~

ワイハウ
2025年10月30日
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THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(本社:東京都新宿区、執行役員社長CEO:亀田信吾、東証スタンダード:3823、以下「ワイハウ」)は、株式会社なぞる(代表取締役:黒澤友貴)と、M&A後の組織文化統合(PMI: Post Merger Integration)における成功の方法論を確立するための協業を開始することをお知らせいたします。

本協業は、2025年2月に実施した「Z世代・渋谷のカルチャーリサーチ」での実証実験を起点に、黒澤氏が開発した「カルチャートレース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000001924.html)」の手法をM&AのPMI領域に応用し、組織文化統合の暗黙知を形式知化することを目指します。

■ 協業の背景

カルチャートレースの実証実験からPMI応用へ:2025年2月、ワイハウは株式会社なぞる代表取締役・黒澤友貴氏が主宰するマーケティングトレースコミュニティと連携し、「Z世代・渋谷のカルチャーリサーチ」を実施しました。この実証実験を通じて、黒澤氏が開発した「カルチャートレース」手法—文化を読み解く作法—の有効性を確認し、この手法をM&AにおけるPMI(買収後統合)に実践できるのではないかと考えるに至りました。

M&A後の組織統合における課題:M&A後の統合失敗の多くは、買収企業の組織文化を理解せず、一方的に制度や仕組みを押し付けることから生じます。特に、「顧客志向」「市場適応力」といった目に見えない文化の違いが、統合後のパフォーマンスに大きく影響します。しかし、組織文化統合の成功要因・失敗要因は暗黙知として現場に蓄積されているものの、体系的なメソッドとして確立されていないのが現状です。

協業プロジェクトのスタート:ワイハウのM&A実績と、なぞるの組織文化理解・診断ノウハウを融合し、PMI成功率向上に貢献するプロジェクトをスタートいたします。

■ 協業における具体的な取り組み

1. PMIトレース:実案件の分析を通じた方法論の確立

実際のPMI案件を詳細にトレースすることで、暗黙知となっている成功要因・失敗要因を抽出し、体系的なメソッドとして確立します。

取り組み内容:

実際のPMI案件のトレースを通じた、文化統合のベストプラクティスの蓄積

成功事例・失敗事例から「なぜその統合がうまくいったのか/いかなかったのか」を深掘り

実践知を形式知化し、再現可能な「型」として展開

継続的なトレース活動による知見のアップデート

「トレース」とは: マーケティングトレースとは、成功企業のマーケティング戦略を「なぞる(トレース)」ことで、その戦略の背景にある「Why(なぜそうしたのか)」を深く探求し、戦略思考を鍛える手法。黒澤氏が「マーケターの筋トレ」として開発しました。カルチャートレースとは、マーケティングトレースの手法を「文化(カルチャー)」の分析に応用したもの。特定の集団や地域の文化を「トレース」することで、「なぜその文化が生まれたのか」「その文化がどのように形成されてきたのか」を深く理解する手法です。

2. 組織文化診断ツールの開発

組織文化を可視化し、統合戦略立案に活用できる診断ツールを共同開発します。

開発中のツールの特徴:

マーケティング組織の投資傾向・取り組み傾向から、4つの文化タイプ(協調文化/革新文化/統制文化/競争文化)を診断

約10分・全12問の簡易診断で、組織の文化的特徴を定量的に把握

黒澤氏の「カルチャートレース」手法により、「なぜその文化が形成されたのか」を深掘り

AIバリューアップ本部による組織データ分析で、文化的相違点とリスク領域を特定

PMIでもマーケティングの現場でも、まずは組織文化を理解することから。この診断ツールは、M&A後の統合だけでなく、既存のマーケティング組織の改善にも活用できます。

3. 統合のためのワークショップ・研修プログラムの開発

組織にマーケティングを根付かせ、文化統合を促進するためのワークショップと研修プログラムを開発します。

開発予定の内容:

マーケティングトレース手法を用いた戦略思考トレーニング

両社の成功事例を「トレース(追体験)」し、文化の本質を理解

PMIトレースワークショップ:経営陣・現場リーダーが参加する対話型セッション

両社の文化形成の「Why」を相互理解

統合ビジョン・行動指針の共創

組織横断プロジェクトでの実践的な文化融合支援

なぞるの研究基盤の活用: なぞるでは、文化人類学アプローチをマーケティングに応用するための研究を行ってきており、組織文化を踏まえたマーケティング戦略設計・マーケター育成などのノウハウを応用していきます。

■ 協業の特徴

1. 学術的裏付けと実践的手法の融合

黒澤氏は、日本マーケティング学会カンファレンス2025において、三井不動産株式会社の矢倉和雄氏との共同研究「組織の市場志向形成におけるバウンダリースパナー行動とマーケターの越境的役割」を発表し、「ベストオーラルペーパー賞」を受賞。

研究のポイント:

組織の境界を越えて情報・知識・関係性を翻訳・調整する「バウンダリースパナー行動」が、組織の市場志向形成に重要な役割を果たすことを実証

組織間連携はバウンダリースパナー行動を介して市場志向に寄与

文脈を理解し橋渡しを行う人材の重要性を学術的に証明

この学術的知見と、「マーケティングトレース」「カルチャートレース」という実証済みフレームワークを融合させます。

2. マーケティング視点での組織文化理解

一般的な組織文化診断ではなく、「顧客志向」「市場適応力」など、事業成果に直結するマーケティング組織特有の文化要素に着目した診断・統合支援を行います。

3. 実践と理論の往復による知見の深化

実際のPMI案件でのトレース活動と、診断ツール・ワークショップの開発を並行して進めることで、理論と実践を往復しながら方法論を磨き上げていきます。

■ 目指すこと

実際のPMI案件のトレース調査と、組織文化診断ツール・ワークショップの開発を通じて、M&A後の大きな課題となるPMIの成功確率を高めることに貢献してまいります。暗黙知として現場に蓄積されている成功要因・失敗要因を抽出し、体系的なメソッドとして確立することで、日本企業のM&A後の統合を支援し、ワイハウが取り組むM&A事業を本協業から加速させてまいります。

■ 担当者コメント

AIバリューアップ本部 担当部長 兼 株式会社イロップ 取締役 浜崎正己

「AIバリューアップ本部では、9月の設立以降、AI M&Aコンサルティングとして、ソーシング、デューデリジェンス、PMIの各段階でAI技術を活用した支援を展開してまいりました。

黒澤氏からご提案いただいた協業シナリオは、PMI支援を見据えて、

(1)実際のPMI案件のトレースを通じたベストプラクティスの蓄積

(2)組織文化診断ツールの開発

(3)統合のためのワークショップ・研修プログラムの開発

という3つの取り組みを協業しながら進めるというものです。

特に印象的だったのは、『PMIでもマーケティングの現場でも、まずは組織文化を理解することから』という黒澤氏の言葉です。この考えに基づき、実践知の形式知化に取り組んでまいります。

2025年2月に実施した『Z世代・渋谷のカルチャーリサーチ』で、『マーケティングトレース』『カルチャートレース』という手法の本質を理解し、さらに黒澤氏が日本マーケティング学会カンファレンス2025で『ベストオーラルペーパー賞』を受賞された『バウンダリースパナー行動』の研究から、組織の境界を越えて情報・知識・関係性を翻訳・調整する『越境的役割』の重要性を学びました。

今回の協業では、実際のPMI案件を詳細にトレースすることで、暗黙知となっている成功要因・失敗要因を抽出し、体系的なメソッドとして確立してまいります。同時に、組織文化診断ツールやワークショップの開発も進め、理論と実践を往復しながら方法論を磨き上げていきます。」

■ お問い合わせ先

組織文化診断ツールの無料トライアルや協業に関するお問い合わせは、以下までご連絡ください。

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社 AIバリューアップ本部

担当:浜崎正己

Email:hamasaki@twhdc.co.jp

TEL:03-4405-5460

【会社概要】THE WHY HOW DO COMPANY株式会社

所在地:東京都新宿区愛住町22 第3山田ビル

設立:2004年7月

上場:東証スタンダード(3823)

代表者:執行役員社長CEO 亀田信吾

事業内容:新規事業の立ち上げ支援、M&A・投資戦略、子会社への経営指導

URL:https://twhdc.co.jp

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